東京有斐会の活動について ~有斐55号 2013 掲載 平成25年3月1日発行~

 我々世代が若かりし頃に「東京有斐会」が活動していたといった話を仄聞しますが、ある程度の幅の学年に跨っての活動は私自身聞いたことがありませんし、 少なくとも今日まで継続している活動は見あたりません。岐阜県にゆかりのある在京の団体で構成する「在京岐阜サミット」には、岐阜高校はじめ十八校の高校 同窓会が参加する中、わが校の名がないのは寂しい限りでした。
 伝統ある母校の同窓生が全国各地各分野で活躍する中、なかなか郷里の同窓会に出られず、東京で独自に同窓会を開催している学年も多いと聞きます。
 こうした学年ごとの在京者の学年同窓会を縦につなぎ、東京・関東近辺に在住もしくは勤務している同窓生を中心に、「東京有斐会」を再開することはできないものか。 その願いがこの会の源流となりました。
 「各学年の同窓会をつなぐ」といった基本方針により、東京有斐会(以下、「本会」と略)にとっての最も重要なルールが決まりました。 それが「会員名簿を作らない」と「年会費なし」です。
 通常の同窓会組織であれば、まず「会員名簿」があり、往復ハガキ等で直接「会員」に総会等催しの「案内状」を送りますが、本会はこのやり方を採っていません。
 まず、「事務局」から各学年の連絡担当者である「学年幹事」にEメールで「案内状」を送ります。「学年幹事」は当該学年内で、Eメールや携帯電話等で連絡が付く 同窓生に「案内状」を転送し、当該学年の出席者数を把握、「事務局」に報告します。
 往復ハガキの「案内状」には郵送費だけでかなりの費用を要するので、これを年会費として徴収したり、総会等催しの会費に上乗せするなどして捻出するのに対し、本会の 場合は通信費ゼロですので年会費はありません。また、「事務局」から連絡を取るのは「学年幹事」だけですので「会員名簿」は不要です。
 具体的な活動は、年一回の「白線流しのつどい」です。いわゆる「合同学年同窓会」のような大会合は「同窓の世代を結ぶ会」と称して三年に一回、それ以外の年は「学年 連絡会」と称し、学年幹事を中心に集まって、卒業生を講師に迎えて「講演会」を開催します。いずれも母校の卒業式後、毎年三月に開きます。また、十二月に「つどい」準 備のための幹事会があります。
 本会運営の基本は、役員会が各種行事の開催計画や会運営の基本方針の案を作り、幹事会にてこれを決定します。
 現在の役員会は、正副会長六名による合議制の下、事務局十名がサポートする体制ですが、年数回開く役員会には、「役員」という名称にかかわらず参加を呼びかけ、いろん な人の意見を集約し、運営に反映するよう努めています。
 もとより、本会はまったくのボランティア組織であり、出納上も全く独立していますので、「長幼の序はあっても、先輩・後輩とも互いに敬意を持って接する」をモットーに、 ヒエラルキーを作らない組織を目指しています。
 同級生が相集い旧交を温め、青春を懐かしむことにとどまらず、世代を越えた同窓生の交流・親睦をはかり、さらには何といっても母校の発展に積極的に寄与することを目的 としています。昨年募った震災義援金三十万四千六百円も、本会の名で募金するのでなく、扱いを母校に託し母校の名で「高山市民時報社」に寄託していただきました。
 今後も、様々な活動を通じ、母校「斐太高校」の名を、東京・関東を中心に高めるよう努力し、郷里飛騨との架け橋となるよう同窓生に呼びかけあってまいります。 (土川宗一 高校3回卒・東京有斐会会長(当時))

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